2026年09月08日
電力と熱の未来が一堂に~2026年秋「スマートグリッド展」と初開催「熱エネルギー展」から見る脱炭素社会~
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、日本のエネルギー業界は大きな転換期を迎えています。
再生可能エネルギーの導入拡大や蓄電池の普及、電力需給の最適化など、「電力」を取り巻く環境は大きく変化しています。一方で、工場や事業所などで大量に使用される「熱エネルギー」の脱炭素化も、今後の重要な課題となっています。
こうした中、電力と熱、両方の未来を考えるイベントとして、2026年9月9日(水)から11日(金)までの3日間、幕張メッセにて「SMART ENERGY WEEK【秋】2026」が開催されます。
その中でも注目されるのが、
- 「SMART GRID EXPO【秋】~第20回[国際]スマートグリッド展~」
- 初開催となる「第1回[国際]熱エネルギー展 -I-TEX JAPAN-」
です。
今回は、この2つの展示会から見えてくる、これからのエネルギー社会についてご紹介します。
再エネ時代に欠かせない「スマートグリッド」

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、脱炭素社会の実現に欠かせない存在です。
しかし、再エネには、
- 天候によって発電量が変化する
- 時間帯によって発電量に差がある
- 電力需要と発電量が一致しない場合がある
といった課題があります。
そこで重要になるのが、「いつ・どこで・どれだけ電気を使うか」を効率的に管理する仕組みです。
その中心となるのが、IT技術などを活用して電力の需給を最適化する「スマートグリッド」です。
今回開催されるスマートグリッド展では、
- VPP(仮想発電所)
- DR(デマンドレスポンス)
- EMS(エネルギーマネジメントシステム)
- 系統用蓄電池
- 次世代二次電池
- EVの電力活用
など、次世代の電力システムに関するさまざまな技術やサービスが紹介される予定です。
単に「電気をつくる」だけではなく、「電気をためる」「必要な場所へ届ける」「需要に合わせて制御する」といった、より高度な電力マネジメントが求められる時代になっています。
注目が高まる低圧リソースと蓄電池
近年は、大規模な発電設備だけでなく、小規模な蓄電設備などを活用した電力ビジネスにも注目が集まっています。
特に、2026年4月から出力50kW未満の低圧リソースについても、一定の条件のもとアグリゲーターを通じた需給調整市場への参入が進み、小規模な設備を束ねて活用する動きが本格化しています。
これにより、これまで単独では市場参加が難しかった小規模な蓄電池についても、新たな活用方法が広がる可能性があります。
会場では、低圧系統用蓄電池の実機展示をはじめ、
- 系統用蓄電池の導入事例
- FIP転換に関する取り組み
- クラウド型EMS
- 電力市場を活用した運用方法
など、実際の事業に関わる情報にも触れることができそうです。
系統用蓄電池や再エネ事業に関わる方にとっては、今後の市場環境や新たなビジネスモデルを知る良い機会となるでしょう。
日本初。「熱の脱炭素」に特化した専門展示会

今回、特に注目したいのが、新たに開催される「第1回[国際]熱エネルギー展 -I-TEX JAPAN-」です。
これまで企業の脱炭素化というと、
「太陽光発電を導入する」
「再生可能エネルギー由来の電力を購入する」
といった「電力」に関する取り組みが中心となるケースも多くありました。
しかし、製造業や業務施設では、電気だけでなく多くの「熱エネルギー」が使用されています。
例えば、
- 工場で使用する蒸気
- 給湯設備
- 乾燥工程
- 加熱・冷却設備
- ボイラー
などです。
こうした熱の脱炭素化を進めなければ、企業全体のCO2排出量を大幅に削減することは難しくなります。
そこで注目されているのが、
- ボイラーの電化
- 高効率ヒートポンプ
- 排熱の回収・再利用
- 熱交換器の活用
- 水素・アンモニアなどの次世代燃料
- バイオマスエネルギー
といった技術です。
I-TEX JAPANでは、「熱をつくる」「使う」「回収する」「効率的に管理する」という、熱エネルギーに関する幅広い技術が集まる予定です。
「電力」と「熱」を同時に考える時代へ
今回、「スマートグリッド展」と「熱エネルギー展」が同じイベント内で開催されることには、大きな意味があります。
これからの脱炭素化では、電力だけ、あるいは熱だけを個別に考えるのではなく、エネルギー全体を最適化する視点が重要になってくるためです。
例えば、
- 太陽光発電で電気をつくる
- 蓄電池に電気をためる
- EMSで電力使用を最適化する
- 電気を活用して熱をつくる
- 工場から出る排熱を再利用する
といったように、それぞれの技術を組み合わせることで、より効率的なエネルギー利用が可能になります。
つまり、これからは「どの設備を導入するか」だけではなく、
「エネルギー全体をどのように設計するか」
という考え方が、より重要になっていくと考えられます。
蓄電池・再エネ・水素など、多様な技術が集結

SMART ENERGY WEEK【秋】2026では、このほかにも、
- 太陽光発電
- 蓄電池
- 水素・燃料電池
- 洋上風力
- CCUS
- エネルギーマネジメント
など、幅広い分野の企業や技術が集まる予定です。
再エネ事業者や設備メーカーだけでなく、
- 電力事業者
- 建設会社
- 不動産会社
- 製造業
- 金融機関
- 自治体
など、さまざまな業種にとって新しいビジネスのヒントが得られる場になるかもしれません。
特に、系統用蓄電池や再生可能エネルギー事業に関わる方にとっては、設備そのものだけでなく、EMSやアグリゲーション、電力市場など、事業全体を支える技術やサービスをまとめて確認できる点も大きな魅力です。
参加には事前登録を忘れずに
展示会への入場には、事前の来場登録が必要となります。
また、会場では展示だけでなく、業界関係者によるセミナーやカンファレンスも開催される予定です。
興味のあるテーマがある場合は、
- 展示会の来場登録
- セミナーの開催スケジュール確認
- 参加したいセッションの事前予約
などを早めに行っておくとよいでしょう。
以下のURLより事前来場登録を行っていただくと、入場無料となります。
(事前来場登録はこちらから)

まとめ
■展示会概要
| 名称 | SMART ENERGY WEEK【秋】2026 |
| 主催 | RX Japan株式会社 |
| 日時 | 2026年9月9日(水)~9月11日(金)10:00~17:00 |
| 会場 | 幕張メッセ |
| URL | https://www.wsew.jp/hub/ja-jp/about/sg.html |
再生可能エネルギーの導入が進む中、これからのエネルギー社会では「電気をつくる」だけでは十分ではありません。
必要なときに電気を供給する蓄電池、需給を最適化するEMS、そしてこれまで以上に重要となる熱エネルギーの効率化。
脱炭素社会の実現には、こうしたさまざまな技術を組み合わせ、エネルギー全体を最適化していくことが求められています。
2026年秋に開催される「スマートグリッド展」と、初開催となる「熱エネルギー展」は、まさにそんなエネルギー業界の変化を象徴するイベントとなりそうです。
電力と熱、それぞれの技術がどのように進化し、そして組み合わさっていくのか。
今後の再エネ・蓄電池市場を考える上でも、注目していきたいイベントです。