コラム

2026年07月08日

家そのものが“蓄電池”になる!? 未来を変える「蓄電コンクリート」の可能性

こんにちは!

私たちの暮らしの中で、最も身近な建築材料のひとつといえば、

「コンクリート」

ですよね。

建物の基礎や壁、道路、橋など、街のあらゆる場所で使われています。

そんな“ただの建材”と思われていたコンクリートが今、

「電気をためる」

という驚きの機能を持とうとしているのをご存知でしょうか?

今回は、未来のエネルギー社会を大きく変えるかもしれない注目技術、

「蓄電コンクリート」

について、分かりやすくご紹介します!

コンクリートが“巨大バッテリー”に!?

この技術を開発しているのは、北海道のコンクリートメーカー 會澤高圧コンクリート株式会社 です。

さらに、世界的な名門大学であるマサチューセッツ工科大学(MIT)と共同研究を進めています。[1]

どうやって電気をためるの?

秘密は、

「カーボンブラック」

という炭素の微粒子です。

これをコンクリート内部に混ぜ込むことで、コンクリート自体に“電気を通す性質”を持たせています。

つまり、

  • 建物の床
  • 壁
  • ベンチ
  • ブロック

そのものが“蓄電池”になる可能性があるんです。

まるでSF映画のような話ですが、実際に研究開発が進んでいます。

最大の魅力は「安全性」と「長寿命」

一般的な蓄電池というと、

  • 発火リスク
  • 劣化
  • 交換寿命

などを心配する方も多いですよね。

しかし、この蓄電コンクリートは、化学反応を利用しないという大きな特徴があります。

そのため、

  • 発火リスクが低い
  • 安全性が高い
  • 長寿命

といったメリットが期待されています。

さらに、“半永久的”に使える可能性もあると言われており、次世代インフラとして大きな注目を集めています。

もちろん、まだ課題も…

一方で、実用化に向けてはまだ課題もあります。

現在は、

  • リチウムイオン電池より高コスト
  • 蓄電効率が低い
  • サイズが大きい

といった点が課題です。

現状ではかなり“大きい”

例えば、一般家庭向けの蓄電容量(約4kWh)を確保しようとすると、

現在は、

1辺約2.4mの巨大ブロック

が必要になると言われています。

体積でいうと約13㎥にもなり、まだ実用サイズとは言いづらい状況です。

でも技術は急速に進化中!

現在の蓄電性能は約300Wh/㎥ですが、今後は、2.2kWh/㎥レベルまで向上できる可能性があると期待されています。

もし実現すれば、2〜3㎥程度の実用サイズまで小型化できる可能性もあるそうです。

家の床下が“蓄電池”になる時代へ?

會澤高圧コンクリート は、2026年秋頃の住宅向け実用化を目指していると言われています。

想定されている設置場所は、「住宅の床下空間」です。

つまり、普段は見えない床下部分が、

  • 非常用電源
  • 再エネ蓄電設備
  • 家庭用蓄電池

として機能する未来が近づいているんですね。

ベンチや街そのものが“電池”に!?

さらに面白いのが、3Dプリンターとの組み合わせです。

蓄電コンクリートは自由な形状で成形できるため、

  • 公園のベンチ
  • 街のモニュメント
  • 建築オブジェ

そのものを“蓄電池”として活用するアイデアも検討されています。

街全体がエネルギーインフラになる未来。

なんだかワクワクしますよね!

国も注目!量産化へ向けて加速中

この技術は、2025年に東京都のGX(グリーントランスフォーメーション)関連支援事業にも採択されました。

総額約2億円規模の支援が決定しており、期待の大きさがうかがえます。

さらに現在は、「蓄電コンクリート工業会」も設立され、全国45社以上の関連企業が参加。量産化や実用化へ向けた取り組みが本格化しています。

“建物そのもの”がエネルギーを支える時代へ

これまで蓄電池というと、

  • 家庭用蓄電池
  • EV
  • 大型コンテナ型

などをイメージする方が多かったと思います。

しかしこれからは、家や街のベンチが、ひっそりと電気をためて私たちの暮らしを支えてくれる。

そんな少し未来の景色が、もうすぐそこまで来ているのかもしれません!

1. AIZAWA Group 「米MITと會澤高圧コンクリート『ec³コンソーシアム』を設立
「蓄電コンクリート」の社会実装へ共同研究体制」
参照

この記事を書いた人

系統用蓄電池情報局 編集部

系統用蓄電池・電力市場・再生可能エネルギーを専門とする編集チームです。最新の市場動向から基礎知識まで、わかりやすく発信しています。