2026年08月10日
株式会社エディオン、太陽光パネルの「自社完結型リサイクル」を本格始動
株式会社エディオンは2026年5月13日、グループ会社であるイー・アール・ジャパンが、広島県福山市の本社工場敷地内に太陽光パネルの分解・リサイクル施設「PVリサイクル工場(マテリアル2号棟)」を新設し、同日より稼働を開始したと発表しました。[1]
近年、再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、将来的な「廃太陽光パネル問題」が社会課題として注目されています。こうした中、同社は太陽光パネルの販売・施工だけでなく、使用後の回収・再資源化までを一貫して担う“循環型モデル”の構築を進めています。
太陽光パネルの大量廃棄時代に向けた新たな取り組み

株式会社エディオンは2008年(旧サンキューは2007年)より太陽光発電システム販売事業を展開しており、長年にわたり住宅用太陽光市場を支えてきました。
今回稼働した新工場では、株式会社エディオンの施工対応エリアで発生した使用済み太陽光パネルを、各店舗や物流拠点を通じて回収。交換・撤去工事に伴って発生した廃パネルを分解し、素材ごとに再資源化します。
これにより、
- 販売
- 施工
- 回収
- 分解処理
- 再資源化
- 再利用先への供給
までをグループ内で完結できる体制が整いました。
災害パネルにも対応する「PVリサイクルハンマー」

同工場では、物理的衝撃によってガラスと基板を剥離する「PVリサイクルハンマー」を導入しています。
従来の刃物方式では、災害などで破損・変形した太陽光パネルの処理が難しいという課題がありました。しかし今回採用された方式では、パネル形状や損傷状態に左右されにくく、効率的な粉砕・剥離処理が可能となります。
近年は台風・豪雨・地震などによる太陽光設備の被災事例も増えており、災害廃棄物としての太陽光パネル処理需要は今後さらに拡大すると見られています。
高純度ガラス回収による「資源循環モデル」

さらに同施設では、粉砕後に混在する素材から不純物を除去する「デジタル色彩選別機」を導入しています。
光学センサーによりガラスの色調を判別し、自動的に異物を除去することで、太陽光パネル重量の約6割を占めるガラス部分を、高純度な「ガラスカレット」として回収可能になりました。
回収されたガラスは、提携先企業を通じて、
- 建材用グラスウール(断熱材)
- 土木用資材
- 各種建材
などへ再利用される予定です。
これは単なる「廃棄物処理」ではなく、資源を循環させる“サーキュラーエコノミー”型ビジネスとしても注目されています。
年間4万枚処理へ 今後の再エネ市場にも影響
新工場では、年間約4万枚(約800トン)の太陽光パネル処理能力を持つとされています。
日本国内では、FIT(固定価格買取制度)開始初期に大量導入された太陽光パネルが、2030年代以降に大量廃棄時期を迎えると予測されています。そのため、リサイクルインフラの整備は今後の再エネ普及において重要なテーマです。
また、企業のESG経営やScope3排出量管理の観点からも、「導入後の廃棄・再資源化まで責任を持つ体制」は、今後さらに評価されるポイントになるでしょう。
株式会社エディオンの今回の取り組みは、太陽光発電の“導入拡大”だけでなく、“出口戦略”まで見据えた新しい再エネビジネスモデルとして、今後の業界動向に大きな影響を与える可能性があります。