コラム

2026年06月04日

【企業の電気代】“安さだけ”で選ぶ時代は終わった!?

今こそ知っておきたい「固定料金」と「市場連動」の違い

こんにちは!

前回は「家庭の電気代」についてお話ししましたが、今回は少し視点を変えて、
企業の電気代事情について分かりやすくお話ししたいと思います。

最近、中東情勢や原油価格のニュースを見るたびに、

「また電気代が上がるのでは…」
「今月の請求、怖くて見たくない…」

そんな不安を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか?

特に工場や店舗、事務所を運営している企業にとって、電気代の高騰は利益に直結する大きな問題です。

実は今、企業向けの電力契約はここ数年で大きく変化しています。
今回は、これからの時代に知っておきたい

  • 「固定料金」とは何か?
  • 「市場連動プラン」とは?
  • 企業はどう選ぶべきなのか?

を、できるだけ分かりやすく解説していきます!

きっかけは「ウクライナショック」

少し前まで、企業の電気契約といえば、

「1kWhあたり○円」

という固定単価の契約が一般的でした。

毎月の電気代が予測しやすく、予算も立てやすい。
企業にとっては安心感のある契約だったんです。

ところが、2022年の「ウクライナショック」によって状況が一変しました。

燃料価格が世界的に急騰し、固定料金で電気を供給していた電力会社が大きなダメージを受けることに。

その結果、

  • 新規契約の停止
  • 料金改定
  • 事業撤退

などが相次ぎ、「固定料金だけでは成り立たない」という流れが一気に広がりました。

注目され始めた「市場連動プラン」とは?

そこで増えてきたのが、
「市場連動プラン」という契約方式です。

これは簡単に言うと、

“電気料金が市場価格に合わせて変動する仕組み”

のことです。

市場価格が安い時は、電気代も安くなる。
一方で、燃料価格の高騰などで市場価格が上がると、電気代も上がりやすくなります。

つまり、

  • 安い時のメリットは大きい
  • ただし価格変動リスクもある

という特徴を持っています。

実は見えづらい「補助金の落とし穴」

さらに注意したいのが、現在は政府による補助金(激変緩和措置など)が入っている点です。

そのため、今は一見「そこまで高くない」と感じても、補助金が終了したタイミングで、一気に価格差が表面化する可能性があります。

特に市場連動型は、価格変動の影響を比較的受けやすいため、

「急に電気代が跳ね上がった…!」

というケースも起こり得ます。

固定料金=安心、でも割高になることも

では、「やっぱり固定料金の方が安心なのでは?」と思いますよね。

もちろん、固定料金には

  • 予算管理しやすい
  • 毎月の変動が少ない

という大きなメリットがあります。

ただ最近は、電力会社側も燃料高騰リスクを警戒しているため、あらかじめ“保険料”的なコストを上乗せしているケースが増えています。

つまり現在の固定料金は、

「安心感はあるけれど、通常時は割高になりやすい」

という傾向があるんです。

これからは「安さ」より“リスク管理”の時代

では、企業はどちらを選べばいいのでしょうか?

実は、今は単純に

「どちらが安いか」

だけでは判断できない時代になっています。

例えば、

  • 固定契約でコストを安定させる
  • 市場連動で安いタイミングを活かす
  • 調達先を分散する
  • 太陽光発電やPPAを組み合わせる

など、自社に合った“エネルギー戦略”を考える企業が増えています。

つまり、これからの電力調達は、単なる「コスト削減」ではなく、

“経営リスク管理”のひとつ

として考える必要があるということです。

「なんとなく契約」が一番危ない時代へ

ニュースを見て不安になるだけではなく、

  • 自社はどれくらい価格変動に耐えられるか?
  • 毎月の電力使用量は適正か?
  • 今の契約内容は本当に合っているか?

を一度見直してみることが、とても大切になっています。

次回の契約更新時には、ぜひ“価格”だけでなく、“リスクとの向き合い方”にも注目してみてください。

その小さな見直しが、将来の大きなコスト差につながるかもしれません。

この記事を書いた人

系統用蓄電池情報局 編集部

系統用蓄電池・電力市場・再生可能エネルギーを専門とする編集チームです。最新の市場動向から基礎知識まで、わかりやすく発信しています。