コラム

2026年05月18日

AI時代の「見えない大食漢」をどう養う?

AI時代を支える新発想!日本の未来を変える「ワット・ビット連携」とは?

こんにちは!

前回までは、再生可能エネルギーや電気料金のお話を中心にお届けしてきました。

そして今回は少し視点を変えて、“AI”のお話です。

「再エネの話なのに、なぜ急にAI?」と思われるかもしれません。
でも実は、この2つにはとても大きな関わりがあるんです。


AIは便利。でも実は“超電気食い”?

最近では、

  • AIが文章を作ったり
  • 画像を作成したり
  • 複雑な計算を一瞬で処理したり

と、私たちの生活や仕事の中でAIが当たり前の存在になってきました。

ですが、その便利さの裏側では、膨大な電力が使われています。

AIを動かしているのは、「データセンター」と呼ばれる巨大なコンピューター施設。
ここでは24時間365日、膨大なデータ処理が行われており、想像以上の電気を消費しているんです。

これからDX(デジタル化)やAI活用が進むほど、データセンターの重要性はさらに高まっていきます。


日本が抱える“大きなジレンマ”

ところが今、日本ではある課題が起きています。

実は国内のデータセンターの約90%が、東京圏・大阪圏に集中していると言われています。

一方で、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、

  • 北海道
  • 東北
  • 九州

など、地方に多く存在しています。

つまり、

「電気をたくさん使う場所」と
「クリーンな電気を作る場所」が離れている

という問題があるのです。


「電気を送る」には時間もお金もかかる

「それなら地方の電気を都市へ送ればいい」と思いますよね。

もちろん送電はできます。
ただし、大規模な送電線や発電設備を新しく整備するには、

  • 莫大なコスト
  • 長い建設期間

が必要になります。

場合によっては完成まで10年以上かかることもあると言われています。

このままでは、AI産業に必要な電力を十分に確保できず、日本が世界のAI競争から遅れてしまう可能性もあるのです。


そこで登場した「ワット・ビット連携」

そんな課題を解決するために、国が進めている考え方が、

「ワット・ビット連携」

です。

これは簡単に言うと、

「電気を運ぶのが大変なら、データの方を動かそう!」

という発想です。

つまり、都市部に集中しているデータセンターを、再エネが豊富な地方へ移してしまおう、という考え方なんですね。


カギを握るのは「光ネットワーク」

では、地方にデータセンターを移したら、通信が遅くなるのでは?

そこで期待されているのが、

「オール光ネットワーク(APN)」

という次世代通信技術です。

これは、従来よりも超高速・低遅延な通信を可能にする仕組みで、

地方のデータセンターと都市部を、まるで隣にあるかのようなスピードでつなぐことができると言われています。

つまり、

  • 遠くまで送電線を引かなくてもいい
  • クリーンエネルギーを有効活用できる
  • 通信も高速

という、一石三鳥の仕組みなんです。


エネルギーと通信が、日本の未来を変える

「ワット・ビット連携」は、単なるITやエネルギーの話ではありません。

これまで都市部に集中していた最先端産業が地方へ広がることで、

  • 地方経済の活性化
  • 雇用創出
  • 再エネ活用の拡大

など、日本全体の新しい成長につながる可能性があります。

まさに、

“電気”と“通信”が手を組んで、社会の未来を変えようとしている

のです。


あなたのスマホの向こう側で起きていること

私たちが普段何気なく使っているAI。

その裏側では、

  • 遠く離れた地方のクリーンエネルギー
  • 巨大なデータセンター
  • 超高速の光通信ネットワーク

が連携しながら動いています。

次にスマホでAIを使うときは、ぜひその“見えないインフラ”にも少しだけ思いを巡らせてみてください。

私たちの未来の暮らしは、今まさに大きく変わろうとしているのかもしれません。

この記事を書いた人

系統用蓄電池情報局 編集部

系統用蓄電池・電力市場・再生可能エネルギーを専門とする編集チームです。最新の市場動向から基礎知識まで、わかりやすく発信しています。